AMELIEMEMO

antiques+couture AMELIEの店主のブログ。アンティークに纏わるストーリー、また異文化の中で思った事や触発された美しいモノ等つぶやいています。

ホニトンレース

f:id:lameliememol:20170126225900j:plain

f:id:lameliememol:20170126231332j:plain

 今、手元のホニトンレースを眺めています。儚げで透明感のあるレース。小さなモチーフをまず作りそれから大きくしていく手法、繊細でニードルレースっぽいですがボビンレースの一種です。イギリスを代表するレースの一つでふわりとまるで羽のように。

f:id:lameliememol:20170126231411j:plain

ホニトンレースというと、1840年2月にイギリスで結婚式を挙げたヴィクトリア女王が浮かんできます。

f:id:lameliememol:20170126231603j:plain

時は1840年、結婚式の前夜にアルバート公が贈ったのはサファイアを囲む12個のダイヤモンドのブローチ。ヴィクトリア女王の日記には、とても嬉しかったとそのことを記していたそうです。

英国王室のジュエリーが素晴らしいのは、アンティークジュエリーが‘アンティークではなく、今でも現役で使われているところと思います。何百年も前の国王や女王が生きてきた証でもあり、彼らのジュエリーを身に着けるエリザベス2世の胸元には時折 ご公務の時にそのサファイヤがつけられています。そしてキャサリン妃が次の担い手になるのでしょう。

また、それまでの王室の伝統のウェディングスタイルだった宝石や金糸銀糸の豪華な刺繍を施した式服のかわりに、ヴィクトリア女王が好んだのはホニトンレースをあしらった純白のイギリス製のシルクドレスでそのヴェールやドレスを身に着けたことから、ホニトンレースは一躍有名になりイギリスで大流行し、それがホニトンの現代の名声の礎になったのかもしれません。 

f:id:lameliememol:20170126234916j:plain

60年後のヴィクトリア女王即位60周年記念の肖像画では結婚式の時着用のベールとレースを身に纏っています。彼女にとって特別なレースだということが伝わってきます。

命をいただいた以上限りあるその中でいつかはなくなる肉体。どんな人もなにか役目のようなものを担って生まれてくる気がします。そしてきっと残すべきなにかが一つはあるのだと。

 f:id:lameliememol:20170126230528j:plain

彼女の時代に生まれた数々の名品は現代でもその輝きが褪せることはなく、次の担い手を選んでいるかのように静かに佇んでいます。
 
ビクトリア時代は深すぎて面白すぎて興味が尽きません。 他の時代もですが。

f:id:lameliememol:20170126233759j:plain

ヴィクトリア女王が着用したウエディングドレス。

なにも語らないけれど、多くのことを心に語りかけてくるホニトンレースです。

f:id:lameliememol:20170127000334j:plain

 photo&written by nao AMELIE owner http://amelie.jp/

ホニトンレースの画像以外は資料から引用しています。