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AMELIEMEMO

オリジナル服の製作とアンティークネットショップAMELIEの店主のブログ。アンティークに纏わるストーリー、また異文化の中で思った事や触発された美しいモノ、お役だち話題等もPick UPしたいと思います。

クリノリン 馬毛とリネンの底力

こんにちは。いつもご覧くださり誠にありがとうございます。
2月になり春らしさを少しずつ感じられる頃ではないでしょうか。
こちらはこれからが寒さの正念場、2月が一年の中で最も雪が降るからです。

今週は引き続き仕入れやPCのメンテナンスの為、新着itemのUPはありません。UPの時期が決まり次第、ここから改めてご連絡させていただきます。m(__)m

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💛♡アンティークよもやま話   ~クリノリン~💛

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クリノリン。なんだかかわいい名前ですよね。1850年代後半にスカートを膨らませるために発明された鯨ひげや針金などを輪状にして重ねた骨組みの下着。1860年代に入るとクリノリンはその形を変化させ、さまざまなバリエーションが生まれ大ブームしました。

「クリノリン」とは馬の尻尾の毛を指すクラン(crin)と、麻布を指すラン(lin)を合成してできたフランス語。
というのはもとはスカートを膨らませるためにペチコート(スカートの中に入れる釣り鐘型フレーム)の繊維素材として使われた馬の毛入りの木綿、または麻だったのですが、そのままスカートのスタイル名として使われたのですね。馬毛を入れるなんて最初に考えた人すごいなと思います。かのアランソンレースにも用いられているものもあり馬のしっぽの毛のポテンシャルを見抜く当時の人の眼力、恐るべしです。

ヴィクトリア朝時代のイギリス女性の間で爆発的に広まったスタイルでスカートの裾は大きく広がれば広がるほど良いという風潮になったのです。大きなクリノリンは到底1人で着ることができない、

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動くたびにクリノリンが引っかかって転倒したり、馬車から降りられなかったり、暖炉などの火がスカートに引火して火傷をしたりという事故が多発することに。(*_*;)

昔を振り返るとあきらかにやりすぎ盛りすぎファッションが大流行した時期がありますが、その中の一つではないでしょうか。まあ歯止めがきかないってのは現代でも通じるものがあり過去の歴史からも人間的なおかしみのようなものを感じるのです。はたから見ている分にはあのシルエットはプリンセスでブリリアントでゴージャスだなと思います。生地やレースの量だって凄かったでしょう。

しかし痛い思いをすると人は反省し改めますね。それから衣服は簡素な既製服と高級志向の注文服オートクチュールに分かれていくのです。丸く大きいクリノリンは1870年代には後腰をふくらませたバッスルスタイルへと変わっていきました。こんどは後ろだけね。

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このスタイルは1890年ころまで流行し、鹿鳴館のドレスもこのスタイルでした。
それ以後は衣服産業も他の産業と同じく機械化や改良が進み、比較的低価格で既製服を購入できる百貨店などの流通形態が生まれてゆく流れへ向かうのです。現代に続く大きなファッションの変革のうねりを感じる時代の変貌でした。

そんなスカートを膨らませるために当時何枚も重ね履きする必要のあったペチコート。このスカートはフランス製でその時代のアンティーク。丁寧な縫製と緻密な手刺繍のスカラップ刺繍、綺麗なシルエットを計算したタックの取りかたや素材の良さは目を見張るものがあります。けして主役にはなれなかったはずなのに。当時の空気を纏った贅沢な時代に生まれた産物はたくさんの心地よさとトキメキを伝えてくれる気がします。

 

written by nao AMELIE owner http://amelie.jp/